あなたは大丈夫? 専門家依存の危ない落とし穴
航空会社職員が名付けた機長症候群とは?
最近読んだ『影響力の武器』という本に興味深いことが書かれていました。
アメリカでは航空会社の職員が「機長症候群」と名付けた現象があります。
これによると、多くの航空機事故は機長が犯した明白なミスを他の乗員が正さなかったために発生しているというのです。
彼らはそれが本人にとっても重要な問題にもかかわらず、
「専門家がそう言うなら、正しいに違いない」
と思い込んで事態を放置し、結果として事故が起きるケースが多いのだそうです。
身近なところに潜む落とし穴
そんなこと本当にあるの? とにわかに信じがたい話にも聞こえますが、
思い返してみると こういうことって飛行機事故という特異な例に限らず、
身近なところでも結構あると思います。
例えば機長にあたる部分を、
テレビに出てくる専門家や学者と呼ばれる人、政治家、会社の上司、学校の先生など身近な存在に置き換えてみるとどうでしょう?
彼らが発信する内容の正否はさておき、その意見や判断に自分の思考を無意識に委ねていることってないでしょうか?
かくいう私も過去を振り返れば 思い当たる節が結構あります。
本の言葉を借りれば
「スピードの速い現代の生活においては、もはや私たちは私的な重要事項についてさえも、十分に考えてから決定をくだすことが難しくなっているようです。直面した問題があまりに複雑で、しかも時間は切迫し、気を散らせる刺激がそこかしこに溢れ、感情の高ぶりがあまりに激しく、心理的な疲労感があまりに強いために、よく考えた上で反応できるような頭の状態でないことがあるのです。この場合、直面した問題が重要であろうとなかろうと、てっとり早い方法を選ぶしかありません」
つまりは、権威ある(とされる)者の意見に右に倣えし、
自らの思考・行動をさえも その判断に委ねてきたということでしょうか。。
私たちは忙しいことを理由に、自分のたいせつな直感をも手放すことに慣れてしまったのかもしれません。
そして、これから
そんなつけが回ってか、世界はかつてない程 大きく揺れ動いています。
そんな いまこそ、自分というものを取り戻し、
ひとりひとりが 自分の内なる声に耳を傾け、
ときに仲間と手を取り ときに励ましあいながら
自分の足で前に進んでいくことが求められているのかもしれません。
そんなまるい 色鮮やかな世界を
みんなで 一緒に描いていけたらいいですね!