村長インタビューvol.1:てこさん(後半)

Q:イメージ相当練られてますね(笑)。

そう、形にしてよ!相棒もこういう構想一緒に練るの得意なんよ。それを整理してくれるんやけど、今は仕事が忙しくてさ、誰もこの話に付き合ってくれない(笑)。前に合同会社ウィズカフェっていう「地球を幸せにする」っていうコンセプトで会社を作ったんよ。

空き家再生とか山の再生とかで、宿を借りたのね。ある町の休眠中のふるさと交流センター。町がやりかねて1000万の赤字を毎年出しよって休眠にしとったんよ。そこを地元の人らが何かに使えんかって、じゃあ私見に行きますって行ったら、なんか知らんけど借りることになっちゃって(笑)。3年間そこを借りて50人泊まれる宿とカフェを運営しよったんよ。

私らは将来学校を作りたいっていうので、合同会社ウィズカフェを母体としてワークショップをしたりしよったんよね。自分らで定期的に勉強会とかもしよったんやけど。今その会社は休眠中。会社作るのが20万ぐらいいるけんもったいないやん? 復活できるんだったらそれを使って。

だから学校は作りたい、病院は作りたい、介護施設もそうだし、病院も。とある勤務医の先生は宇和島にもカフェ作ってくれたら僕は行くよって。そういう場所で話をする方が絶対伝わるけんって。そこに集まった人に診療するのもOKっていう。

そういう地域医療にすごく興味があって、畑も借りて何か活動しよるんじゃないかな。そういう先生らがおるけん。カイロプラティックとか針灸をしよる子もおるし、その子らで病院みたいなもんはできるんよ。登録して派遣でどう? っていう。自分らの暮らしを自分らで支えるみたいな。病院、学校、あと食べるものを作る。

そうそう、オーガニック地ビールを作りたいんよ!大学で酵母を開発しよる知り合いがみかんの花で地ビールを作らないかっていう話をしよって。地ビールは体にいいし、売れるし、工房もちっちゃくてすむんよね。

あとはワインもいい。ワインも葡萄畑をしよるお父さんとお母さんが、もう自分らで終わりやけんって。跡取りもおらんって言ってて。やりたい人がおるんやったら、そこの畑も譲ってもらえると思う。ワインなんか消毒かけんでええけん。今は食べる用に育てるために消毒かけよるけど、オーガニックワイン作るために無農薬で育てるってことは可能だから。そういう畑がいっぱいあるんよ。

で、そこにB型就労を入れようとしよるんよ。おじいちゃんが一人で山によう上がらんなったら誰か指導員がついて。おじいちゃんは働く意欲はあるんで登録利用者さんとして登録するんよ。そしたら利用者さんは工賃として時給100円ぐらいしか入らないけど、その指導員さんにはちゃんと国から補助が出るんよ。

指導員さんがお金もらいながら一緒についていって、一緒に働いて、そこでできたものを加工してジュースとかね、ジュースにしたらキロ単価が20倍ぐらいで売れるんで、それを売ったやつで利用者さんに返す。それは別に弁当にして返しても、一部ね、その人の暮らしが楽になるっていう方法で回ればいいんだから。

同じ方法でいろんな耕作放棄地一歩手前の畑を手伝いよったら、畑をどうするかっていう話がその場でできるけん、もしかしたら指導員でついてる子が後継者になるかも知れんやろ?

そこの畑だけでは生活できんかもしれんけど、グループ全体でその子の賃金が出る可能性は高いんよ。販売もしていくんだから。販売ルートはさっき言った1万本のジュースを発送しよったけん、そのママさんルートができとるんよ。そういうのを全部ミックスして事業をすればいいと思ってるから。どこで事業費を出すかやな。そういう指定管理を受けるのも一つの方法。

今いっぱい休館にしてる施設があると思うけど、そこを指定管理に出してもらって、ただで貸してもらう。自分らが事業費は捻出するっていうのをやったら行政も傷まないから大体OK。そうやって市民運営をやっていくっていうのが、多分これから地方自治の中では大事なことやと思うんで。

ちょうど議員の仲間が『with市民』っていう会派を作ってくれて。というのが宇和島市で伊達博物館を新しく建て替えるっていうのが今進んどるんよ。このご時世に50億で。維持費が毎年2億円いるっていう。それどっから捻出するの? って聞いたら、地方自治は入る税金は決まってるから、そん中から削っていくっていうわけよ。他削ってそれに2億円を回すっていうわけね。そんなら削ったとこってどうなるん? という話やん。そういうのを議員の人らは知らんというわけね。ほんで50億も過疎債っていうので借りるから、そのうちの10億しか払わんでええけんっていう。あとは国が何分の1みるとかっていうのがあるんよ。

国もうまいよね。過疎債っていう形で貸して、一応過疎債は返さなくていいって今は思わされてるけど、いつ返せっていうかわからんけんね。返せって言われたときはもう借金まみれよ。どこの自治体も。だから私は市議の仲間に絶対危ないよっちゅうて、そんな無謀なものを今建てること自体おかしいよって。

やけん住民投票をする条例を作るって署名集めして、1200人で議会に上げられるっていうところを3000何百票集めて。それも2回。1回目が惜しく議会で13対11でその条例は却下。そしたら市民グループが3000何百票もちょっと待ったって言ってるのに、それを無視したって。

もう1回やったら同じぐらいの票が集まって、それで上げたら今度は4対15ぐらいまで減ったんよ。応援する議員が。でもその4人が、それぞれ別の会派におったんやけど、それを出て市民の声を届けるっていうのを中心とする『with市民』っていう会派を作ってくれたんよ。

今度その子らと打ち合わせするんやけど、私らは政治団体を作ろってそこと連携しようって言ってて。市民が理解した上で作るのありじゃないって作るんだったらいいんやけど、内情が知らされないままにもう全部黒塗りの書類で、予算とかも明確にせずに工事だけ進むっていうその姿勢が市民の声を全く聞いていないし、議会も行政も聞いていないっていう。今多分どこの行政もそんなんになってきよる。宇和島はそういうのちょっとおかしいよねっていう声が今から出てくるけん。

政治も絡みつつ自分らで自立して、なおかつ災害が起こっても自分らで何とか暮らしていけるっていう仕組みをまずとにかく作らんといけんよね。ネットで市民同士の繋がりはどんどん出来よるんよ。だからそれをもうちょっと強化したり、加速させられたらいいなっていうようなことで、多分こういう事業をどんどんやっていったら、面白いんじゃないかなと。仲間は増えていくよね。

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バンブー

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